フットサルのトランジションとは?

目次

トランジションとは何?

フットサル 4つの局面

フットサルは必ずしもお互いのチームの陣形が整って同じ人数で攻防をするわけではありません。

ボールの保持チームが変わった瞬間、必ずといっていいほど、数的不均衡の状態が作られます。

それまで攻撃をしていたチームは守備に回り、守備をしていたチームは攻撃側になります。この攻守の切り替えの瞬間を指して、トランジションと言います。

トランジションは、攻撃から守備へ、または守備から攻撃への切り替えを指します。

フットサルではコートが狭いため、トランジションのスピードが勝敗に大きな影響を与えます。

素早いトランジションは、試合の流れを自分たちのものにするのに超重要なポイントです。

フットサルは均衡と不均衡が繰り返すスポーツ

フットサルでは攻守の切り替えが頻繁に行われ、均衡と不均衡が繰り返されます。

均衡と不均衡が繰り返す
STEP
【均衡】定位置攻撃(守備)
STEP
【不均衡】トランジション局面
STEP
【均衡】守備の撤退が完了し、再び定位置攻撃(守備)

均衡の要素としてはわかりやすい数的均衡の他に、位置的均衡があります。

例えば以下の局面では赤のチームと青のチームは同数2-2ですが、攻撃側の赤チームはマークに対して相手ゴール側を取ることができています。この時は均衡に見えて位置的に赤チームの方が優勢なため不均衡です。

このような均衡と不均衡の繰り返しが試合の流れを作り出す鍵となります。

またいい選手ほど局面が「均衡」なのか「不均衡」なのかの認知が速くて正確です。

トランジションの重要性【キリカエ0秒】

トランジションのスピードは、フットサルにおいて試合の勝敗を分ける重要な要素です。

攻撃から守備への切り替えが遅いと、相手にカウンターアタックのチャンスを与えてしまいます。逆に、守備から攻撃への切り替えが迅速であれば、相手の守備陣形が整う前に得点チャンスを創出できるでしょう。

フットサルで生まれる得点のうちトランジションとセットプレーで生まれるゴールは7割を占めるといわれています。

現在Fリーグ1部のフウガドールすみだはチームのコンセプトとして「キリカエ0秒」というワードを掲げています。

フウガはまだ地域リーグ時代、このコンセプトをかかげて、全日本選手権を勝ち抜き、なんとFリーグを抑えて日本一に輝くという大下克上優勝を収めました。

「キリカエ0秒」はフットサル界に浸透しました。

このようなエピソードはフットサルにおけるキリカエ(トランジション)の重要性を示しています。

トランジションのポイント(コツ)

フットサルのトランジションは試合において必ず発生しますし、試合の勝敗を分ける重要なプレーです。

攻守ともにこのクオリティが高い選手はいい選手です。

トランジションは即興性の要素もありますが、抑えておくべきコツはあります。

僕もまだまだですが、以下のポイントを抑えたことで昔よりはかなりましになりました。

攻撃トランジションのポイント

攻撃トランジションのコツは以下です。

  • ボールホルダーはスピードを上げない
  • 2対1を攻略する
  • シュートを前提に考える

ボールホルダーはスピードを上げない

カウンター攻撃はスピードが命です。しかし、ボールホルダーがスピードを上げる必要はありません。攻撃トランジションでよくあるミスとしてはボールホルダーがスピードを上げすぎて、味方が追い越せないという状態です。僕もこれがよくありました。

またスピードを上げることによってボールタッチや判断のミスの確率も上がります。

トランジションでは焦らずにゆっくりとボールを運び、味方の動きをよく見て相手と駆け引きをしましょう。

2対1を認知して攻略する

2対1の認知がとにかく重要です。

トランジション局面は2vs1、3vs2、4vs3などがありますが、どれも局面を切り取ると2vs1があります。

この2vs1に気付いて、攻略することでシュートまでもっていくことができます。

とにかく2vs1を見つけるという意識を持ちましょう。

シュートを前提に考える

トランジションではきれいに相手を崩そうとして、ついつい一番大事なシュートを忘れがちです。ですがシュートコースが空いているのならば積極的にシュートを打ちましょう。

完璧な崩しをしようとすると時間がかかり相手が戻ってきてしまう場合もあります。

シンプルなシュートを見せることが相手にとって何よりも怖く、これにより味方がフリーになったりします。

「シュートを前提に考える」というのは絶対に忘れないようにしましょう。

守備トランジションのポイント

守備トランジションのコツは以下です。

  • ウィークサイドとストロングサイド
  • 10mライン
  • キーパーを含めて同数という考え方

ウィークサイドとストロングサイド

守備トランジションではウィークサイドとストロングサイドという考え方が重要です。

簡単に言えばストロングサイドは数的同数のサイド、ウィークサイドは数的不利なサイドです。

例えば以下の画像のような場面では、守備側の左サイドがストロングサイド。右サイドがウィークサイドです。

ウィークサイド側のパスコースを切ることによって、ストロングサイドに追い込むことに成功すれば同数で守ることができます。

「ストロングサイドに追い込み時間をかけている間に味方がウィークサイドに撤退する」というのがトランジション守備の鉄則です。

10mライン

守備は基本的に相手を遅らせることを考えますが、いつまでもズルズルとさがっていてはゴール前に侵入されて、いい状態でシュートを打たれてしまいます。

そのため、フットサルでは一つの基準として第二PKの10mラインが寄せ始めと言われています。

10mラインに侵入して来たら、もう下がるのはやめてボールに寄せましょう。

キーパーを含めて同数という考え方

フットサルの守備トランジションではフィールドプレイヤー同士では数的不利だとしても、ゴレイロを含めて同数と考えるようにしましょう。

よくあるミスはディフェンスとゴレイロが同じ選手に寄せてしまうことです。これによりフリーな選手が生まれて簡単にゴールを決められてしまいます。

ゴレイロが出たら自分のマークに責任をもって、マンツーマンで守りましょう。

最後にゴールを決めるのは人なので、人を開けないようにしましょう。

まとめ

フットサルにおけるトランジションは、攻守の切り替えの瞬間におけるチームの動きや戦術が鍵となる要素です。

トランジションを制する者がフットサルを制すといっても過言ではありません。

トランジションをきわめてフットサルを楽しんでいきましょう!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

中井健介
考えるフットサルの会 会長
フットサルで日本一を達成するなかで培った、”考えるフットサル”を全国のさまざまなプレーヤー、コーチに広める活動を行っています。
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