当記事では、サッカーよりも少し複雑なフットサルのルールを、10歳の小学生に説明するつもりで解説します。
最低限のルール解説にしぼり、分かりやすさにこだわったフットサル初心者向けの内容です。
以下のレベルを目指して解説します。
- 楽しくフットサル観戦ができる
- 初心者レベルのフットサル(個サルなど)で楽しくプレーできる
- エンジョイ大会に出場できる
- フットサル日本一経験者
- 元Fリーガー(ペスカドーラ町田)
- 自らが選手兼監督を務めるFC NAKAIを立ち上げ、YouTube番組「目指せ!Fの頂」が総再生回数400万超え。
フットサルルールの基礎の基礎
まずはざっくりとフットサルの概要から説明していきます!
時間内に相手ゴールにボールを多く入れた方の勝ち
フットサルはシンプルに前半と後半を合わせてより多く相手のゴールにボールを入れたかを競う競技です。
観戦初心者の方は最低限これを抑えておけば楽しめると思います!
フットサルの競技人数【5人vs5人で戦います】
フットサルは5人対5人で戦うスポーツです。
フィールドプレーヤー4人、ゴールキーパー1人で戦います。
ベンチには9人登録することができて、交代ゾーンからいつでも交代できます。
また、交代してもそのあと何度でも出場することができます。
フットサルの試合時間【20分→ハーフタイム→20分のプレイング】
フットサルの試合時間は前半20分と後半20分の合計40分です。
ただし、ボールがコートの外に出るといったん時計の針は止まります。
ボールがコートの中に入ってからまた試合時間が進んでいきます。これをプレイングタイムといいます。
このため、実際に試合にかかる時間は2時間前後になることが多いです。
ファールの基準は?
フットサルでは主に以下のようなことが反則になります。
もちろん細かい反則はまだまだありますが初心者の方は以下だけ覚えておけばOKです!
- 相手を蹴る、または蹴ろうとする。
- 相手をつまずかせる。
- 相手に飛びかかる。
- 相手競技者を打つ、または打とうとする。
- 相手競技者を押す。
- 相手競技者にタックルする。
- 相手競技者を押さえる
- 手でボールを触る
ちなみに前半もしくは後半のうちに1チームで5回ファールをしてしまうと、6つ目のファールから相手チームに第2PKが与えられてしまいます。
これはかなりピンチになるので、ファールはなるべくしないように戦うのがフットサルの鉄則です!
フットサルはすべてのサイズが小さい【ゴール・コート・ボール】
サッカーは68m×105mのコートのサイズでプレーしますが、フットサルは20m×40mと1/9程度の広さしかありません。
それに伴いボールやゴールもサッカーより小さいです。それぞれのサイズを紹介します。
ゴール
サッカーゴールは高さ2.44m×幅7.32mであるのに対して、フットサルは「高さ2m×幅3m」と小さめになっています。
体の大きいキーパーが立つとシュートコースはかなり少なくなりますね。
コート
先ほども述べた通り、サッカーのコートは「縦110m×横64m」が基本であるのに対し、フットサルのコートは「縦40m×横20m」です。サッカーの1/9の大きさと言われています。
ざっくりとしたイメージとしてはサッカーのペナルティエリア内でプレーするような感じですね。
ボール
サッカーとフットサルでは使用されるボールが異なります。
サッカーでは一般的に直径22cmの5号球が使われますが、フットサルでは直径20.5cmの4号球が使われます。
つまり、フットサルのボールはサッカーのボールよりも少し小さくなっています。(小学生年代のフットサルでは、さらに小さな直径19cmのボールが使用されます)
また、フットサル用のボールは、コートが狭いためにボールが頻繁に外に出てしまうのを防ぐために工夫されています。
そのため、フットサルのボールは少し重めで、弾みにくい特性を持つローバウンドと呼ばれるものです。
これにより、よりコントロールしやすく、スピーディなプレーが可能となります。
フットサルルールの基礎の基礎まとめ
以上の内容がフットサルのルールの基礎中の基礎になります。次の章でさらに詳しいルールを説明していきます。
いったんここまでのまとめです!
フットサルのルール基礎の基礎まとめ
- 人数は1チーム5人で交代自由
- 試合時間は前後半20分ずつのプレイングタイム
- 相手ゴールにたくさんボールを入れたチームの勝ち
- 相手を蹴ったり、つまづかせたり、押したりするとファールになる
- フットサルはゴール、コート、ボールがサッカーより小さい
サッカーとのルールの違い
この章ではフットサルとサッカーで異なるルールについて代表的なものを解説します!
サッカーとのルールの違いを表でまとめると…
サッカーとフットサルのルールの違いを表でまとめました!
詳細は以下の解説を確認してくださいね!
サッカー | フットサル | |
---|---|---|
コートの大きさ | 縦110m×横64m | 縦40m×横20m |
ボールの大きさ | 5号球(直径22cm) | 4号球(直径20.5cm) |
ゴールの大きさ | 高さ2.44m×幅7.32m | 高さ2m×幅3m |
1チームの人数 | 11人 | 5人 |
試合時間 | 90分(45分×2) ランニングタイム | 40分(20分×2) プレイングタイム |
タッチラインを割った場合 | スローイン | キックイン |
ゴールラインを割った場合 | ゴールキック | クリアランス |
交代 | アウトオブプレーの時、審判の許可を得て交代を行う。 | 自由。インプレー中でも、審判の許可なしで交代可能。 |
オフサイド | あり | なし |
キーパーへのバックパス | 無制限 | 相手が触るか、ハーフラインを超えない限り、GKは一切ボールに触れられない。 |
5ファール | なし | あり(6つ目から第2PK) |
4秒ルール | なし | あり |
タイムアウト | なし | あり |
オフサイドがありません【待ち伏せOK】
サッカーではゴールキーパー以外の相手選手よりも前でボールに関わる場合、オフサイドが適用され、プレーが制限されるルールがあります。このオフサイドルールは少し複雑で初心者の方には理解が難しいものです。
一方、フットサルではオフサイドの概念が存在しません。
したがって、フットサルでは相手選手よりも前で自由にボールを受け取ることができます。
オフサイドのルールがないことで、フットサルではプレーがより自由度の高いものとなり、さまざまな戦略やアプローチを実行することが可能となります。
これにより、フットサルはよりスピーディでエキサイティングなプレーが特徴となっています。
5ファール【ファールし過ぎはまずい】
サッカーは試合中何度ファールしても、特に罰はありません。
しかしフットサルではファールを5回犯してしまうと、6個目のファールから相手に第2PK(ゴールから10mの位置からの壁なしフリーキック)が与えられます。これはすごくピンチです。(ちなみにハーフタイムでファールの数はいったんリセットされます。)
このため、フットサルで勝つためにはファールをしすぎないように気を付ける必要があります。
4秒ルール
フットサル特有のルールとして、4秒ルールというものがあります。
ボールがコートの外に出てキックインだったり、コーナーキックだったりと、セットプレーで再開するときに、その再開を4秒以内に始めなければならないというルールです。
これは試合のスピード感を保つためのルールです。
交代自由【何度でも出入りOK】
サッカーでは一度交代してピッチから出た選手はその試合に出ることができません。また、交代する際は審判が試合を止めて選手交代をしますね。
これに対してフットサルの交代は自陣ベンチ前の交代ゾーンからいつでも誰でも、審判の許可をとらずにできます。
一度交代した選手も再び出場することができます。
このためフットサルでは疲れた選手をどんどん交代しながら、試合を進めるのが一般的です。
キーパーへのバックパス【キーパーがボールを触れるのは一回だけ!】
キーパーへのバックパスはフットサルで最も複雑なルールの一つかもしれません。
初心者の方は理解するのに苦労するポイントだと思います。
このバックパスルールは要するに
ゴレイロがボールを触れるのは一回だけ
というルールです。
例えばキーパーがクリアランス(サッカーでいうゴールキック)でボールをフィールドプレイヤーにパスして、その選手が相手がボールを触ってないにもかかわらずキーパーにバックパスをしてしまうと反則になります。
バックパスの反則をすると相手チームに間接フリーキックが与えられてしまいます。
サッカーではキーパーもボール回しに参加して何度もボールを触ることがありますが、フットサルではそれはありません。
ただし、以下の場合はキーパーにバックパスをすることができます。
- 相手チームの選手がボールを触った場合
- ゴレイロ自身がハーフラインを越えてボールを受ける場合
一度でも相手がボールを触ればリセットされ、もう一度キーパーにバックパスをすることができます。
また、キーパー自身が相手陣内まで侵入したときは、このルールは適用されなくなり、相手陣内では何回でもボールを触ることができます。
ちょっと複雑ですね。これはやりながら慣れていくしかありません。
初心者向けのエンジョイ大会や個サルではわかりやすくするためこのバックパスルールをなしにしていることも多いです!
サイドからの再開方法はスローインではなくキックイン
フットサルには、ボールがコートの外に出た際のプレー再開方法にも独自のルールが存在します。
サッカーでは、ボールがコートの外に出た場合、手を使ってコート内にボールを投げ入れる「スローイン」がプレーの再開方法として採用されます。
一方、フットサルではボールをタッチライン上に置き、足で蹴る「キックイン」が再開方法として採用されています。
ゴールラインを割った時の再開方法はゴールキックではなくクリアランス
フットサルでは、ゴールキーパー(ゴレイロ)によるプレー再開方法はゴールクリアランスと呼ばれます。
この点はサッカーとは大きく異なります。サッカーではゴールキックで再開しますが、フットサルではキーパーが手でボールを投げて再開させます。
ちなみにクリアランスにも4秒ルールが適用されるため、キーパーをするときには注意が必要です。
5mルール
フットサルには5mルールがあります。
相手チームがセットプレーでプレーを再開するときにボールに5mより近づいてはいけないというルールです。
近づきすぎると、審判に注意されます。ちなみに味方は5m以内に入ることができます。
タイムアウト
フットサルには、サッカーには存在しない「タイムアウト」という制度があります。
この制度では、各チームが前半・後半それぞれ1回ずつタイムアウトを取ることができます。タイムアウトでは試合を1分間中断し、チームは作戦会議を行ったり、選手を休憩させたりすることができます。
攻められない状況や不利な流れの時には、1度チームとして話し合って、悪い流れを断ち切ることができます。
タイムアウトは試合の流れを変える重要なポイントとなることがあります。チームはこの機会を有効に活用し、戦術や戦略の調整を行うことで、試合の展開を有利に進めることができるでしょう。
覚えておきたいフットサル特有の戦術「パワープレー」
フットサルではサッカーではあまり見ない、「パワープレー」という戦術があります。
パワープレーはGKもハーフラインを越えてオフェンスに加わり5人で優位性を持ってボールを保持する戦術です。
フットサルにはバックパスルールがありますが、ゴレイロがハーフラインを超えるとバックパスルールは適用されず無制限にボールに触れるようになります!
これを利用して、試合終盤にフィールドプレイヤーがゴレイロのユニフォームを着用して、上がることで相手コートで5vs4という数的優位な状態で点を取りに行くのがパワープレーです。
ただしもちろんゴールががら空きなので
ボールを奪われる=失点の可能性
が高くなってしまいます。まさに諸刃の剣です。
終盤のパワープレーの攻防はフットサルの見どころの一つなので抑えておきましょう!
ルールはジュニア年代や個サルでは異なるし、頻繁に改正する
ここまでルールを解説してきましたが、ジュニア年代であったり、民間のエンジョイ大会などのフットサルでは微妙にルールが違う場合があります。
また、ルールの改正が頻繫にあるのが難しいところです。当記事もなるべく最新の情報にアップデートするようにしてあります。
それぞれの場面でどのようなルール変更が多いかを簡単にまとめておきます!
ジュニア年代(4種)のルール
12歳以下の年代の試合では以下のルールが適用されることが多いです。
・ゴールキーパーがスローもしくはキックしたボールがノーバウンドでハーフラインを越えた場合、相手チームにハーフライン上から間接フリーキックが与えられる(ドロップキックはラインを越えてOK)
ジュニア年代では単純な投げ合いになるのを防ぐため、ゴールキーパーのキックやスローに制限がかかっています。そのため、うまく自陣からの攻撃は工夫をしないと相手のプレッシャーを受けやすくなってしまうため、注意が必要です。
エンジョイ大会や個サルのルール
エンジョイ大会では初心者でも楽しめるようにルールが緩和されていることも多いです。以下はよくあるルールの変更例です。正確なルールは各施設や運営団体の定めるルールに従ってください。
- キーパーへのバックパスは何度してもOK
- 女性へのショルダーチャージ禁止
- 4秒ルールなし
- 強いシュートの禁止
2023年最新のルール改正情報
フットサルは定期的にルールの改正が行われます。以下はJFAによる2022/23の主な改正内容における解説記事です。最新情報は以下からご確認ください。
フットサルのルール まとめ
フットサルの基礎、フットサルで良く見られるプレーを解説してきました。
フットサルのルールは複雑なので、当記事で紹介しきれないプレーもたくさんあります。
当サイトでは、フットサルに関する情報を多数そろえておりますので、ぜひ、他の記事もご覧いただければ幸いです。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました!